2012年4月29日日曜日

島流し御赦免ツアー[02]-アワレみ隊活動記録


[No.06 神湊漁港/八丈八景4 神湊帰帆 2005年04月30日 10:58]

近場でどこか観光ポイントは無いか、と例の地図を確認していたら、民宿(予定地。たぶん)の近くで先ほど道に迷い込んだ神湊漁港も観光地として指定されていることが分かった。早速行ってみる。

「いやぁ、さっき通った時は観光地とは思わなかったなぁ」

と言いながら車を漁港奥深くまでつっこませてみたが、どう見てもここは単なる普通の漁港だった。

敢えて違うとすれば、ダイビングショップの車と舟があり、さあこれから潜るぞーなウェットスーツ軍団がたくさんいたということだった。

「ラバーフェチが集う場、ということでいいね?」

何故ここが「観光地」なのかさっぱりわからないので、独自解釈をしておいた。


「どうだい、八丈島観光は楽しいかい?」

大して楽し� ��ないことはわかりきっているのだが、敢えて聞いてみる。

「いやぁ、楽しいねぇ。最高。八丈島まで来て良かった」

明らかにしらじらしい回答が返ってきた。

まさか八丈島観光協会、目に付く施設やらなんやらを全て「観光地」として指定していないか?二番目の観光スポットに到着したに過ぎないのに、既にイヤな予感がしてきた。社会科見学じゃないんだぞ、おい。

ちなみにこの地は、地図によると「八丈八景」なる名所としても指定されているようだ。この八丈八景、全て四文字熟語にて指定されており、この地は「神湊帰帆」という名前が付いていた。

「うーん、そういう名前の写真や絵が存在したのか、それとも神湊で沖から戻ってくる船の景色は(総じて)ええもんです、と言いたいのかさっぱりわか� ��ん」

何から何まで謎だらけだ。観光地の名前しかわからんのだから、仕方がない。

「とりあえず、漁船でも何でも戻ってくれば良いんだな?」

・・・

「ダイビングの船が出航しました。もういいや。これでOK」

きりがない。とりあえず観光地に着いた、ということで目的達成とみなした。


[No.08 西山ト神居記碑 2005年04月30日 11:11]

「次。西山ト神居記碑」

「はあ?何だって?もう一度」

何度かこのやりとりがあった。引き続き、「漢字はどう書くんだ?」「ほら、こういう字だ」というやりとりも続く。

わけがわからない。

どうやら記念碑があるらしい、というのは分かった。とりあえず現地に向かってみて確認してみよう。

現地とおぼしき路地に入ってみたが、目指すなんちゃら碑はさっぱり見つからない。何度も車で往復する。何しろ、与えられた地図は非常に曖昧な作りになっている上に、目的とする物体の形やサイズがさっぱりわからない。

まぁ、碑を探す以上、空にあったりすることはないだろう。地面のあたりをくまなく眺めて・・・

みつからん!

「パスするか?とりあえず後回しにして」

な んていうギブアップ宣言が早くもでる始末。

「おっかしいなあ、地図を信じればこのあたりなんだが」


誰がベッドに下着を身に着けている?

しかしその地図だって、プロットされている丸がすごく大きい。通りに面しているのか、通りから奥まったところにあるのか、はたまた隣の通り沿いにあるのかさえわからない。間違えてはたけのあぜ道なんぞに入ってしまい、Uターンしながらうろちょろする。


間違えて侵入してしまったあぜ道からUターンしている最中、あぜ道から通常の道に復帰するT字路のところに何かがあることに気が付いた。突き当たりの崖の途中に、なにやら看板と石碑が建っているような・・・

「あれか!」

二人とも唖然としてしまった。えええ。あんなところに石碑が?さっきまでは、ずっと下を見ながら探索していたというのい、まさか頭上に石碑があ るとは。


崖を登って、確認してみる。

よくわからん石碑だ。いろいろ書いてるんだが、あまり理解できない。

で、これが、西なんちゃらの碑?

こ、これのどこが観光名所なんだ?いや、そもそもこんな石碑を見に訪れる島外の観光客はいるのか?


激しい驚きと、時間をかけた結果ようやく見つけたモノがこれかよ、という落胆とが入り交じった状態で、東京都教育委員会がご丁寧にも設置した看板を確認する。

西山ト神居記碑は天保五年(1834)建立されたもので、伊豆代官羽倉外記と島民高橋与一の勇気をたたえた碑である。碑文によってその大意は次のとおりである。

「八丈島は南海の絶島であり、気候はいたって不順である。もと、乗山、手石山部落の間に海神が住んでいるという伝説があったが、食糧が不足するため島民高橋与一という者がこのふもとを開拓し、多くの島民の食糧難を救った。しかし、天保以来大風が吹き荒れ、ききんが続いたので、これは海神の住むところがなくなったからだと人々は言いあい仕事を中断したので、当時の伊豆代官羽倉外記は、迷信ではあるが島民の気持ちを察して西山の良い場所に神居を移し、神罰があるならわたくしがうけよう。」という意味のものである。書は当時最高の書家市河米� �(三亥)である。

だ、そうで。一回ざっと読んだだけでは意味が理解できなかった。三回くらい読み直して、ようやく言ってることが理解できた。あまりに事前知識がないと、日本語を少々読んだくらいでは状況を把握できないんだな人間って。

「なんだよ、西山ト神、っていう人の居住記念碑なのかと思った」

まずそういう先入観をもって説明書きを読んだので、ますます混乱したのだった。


あまり納得はできていないが、まあとりあえずこれも八丈島の観光名所ということで。

記念撮影を一枚。


[No.17 八丈植物公園 2005年04月30日 11:33]

次は八丈植物公園、という場所。

「ようやく何者だかわかる観光名所になったな」

とちょっと安心だ。やっぱり、名前を見ても何が何だかさっぱり分からない場所に行くことにはモチベーションがあがらない。ここは八丈ビジターセンターもあり、旅のスタート地点といえる。


のために使用cumberbundプリーツは何ですか?

「普通ビジターセンターが先だろ。何で僕らの場合、『抜船の場』なんだよ。渋すぎる」

普通ではありえない八丈島観光だ。

目指す場所は、島の中心部、空港に隣接するかたちで存在していた。島では貴重な平野部だが、その平野部の一番美味しい場所を20haも堂々と使っている。


当たり前だが結構広い。

「植物公園を観光地図に掲載するのは当然なのだが、ビジターセンターが地図に明記されていないというのは不思議な話だな」

地図にはちゃんと「ビジターセンター」と書かれてはいる。しかし、「ここ、観光ポイントだよ!」とナンバリングされて掲載されているわけではなく、扱いは「八丈高校」「八丈町役場」 などと一緒だ。

「一体何を基準にこの地図は作ってるんだ・・・」

わけがわからない。


てくてく歩いていると、正面にピラミッド型をした屋根が見えてきた。あれがビジターセンターらしい。

本当は、先ほどの西山なんちゃらの碑周辺にも、まだまだ観光地図お薦めの観光スポットは点在していたのだが、わざわざそれらをすっ飛ばしてこの地を訪れた。効率性から考えると、随分無駄なことをしたことになる。

しかし、わけのわからん碑を見せられて、だんだん不安になってきたのだった。「あかん、こりゃあ八丈について勉強しないと何がなんだかさっぱりわからん。理解できん」

と。だから、ビジターセンターがある植物公園を優先させたのであった。


八丈ビジターセンター。

観光名� ��なので、ここでも記念撮影・・・あ、そうか、観光地図にはランクインしていないんだっけ。ま、いいや。

入り口には、八丈太鼓が置いてあった。そして、入り口の上には「おじゃりやれ」の文字が。こちらの方言で「ようこそいらっしゃいました」の意味になるらしい。沖縄の「めんそーれ」と同意語。


初日企画開始直後なので、どれくらい各観光地でゆっくり時間を過ごして良いのか、バランス感覚がよくわからない。とはいっても、八丈について殆ど予備知識がない僕らは、まずここでじっくりとお勉強をしていかないと駄目だろう。ちょっとゆっくりと滞在させてもらいますかね。

入り口入ったところに、「キョンはここだ!」という案内を発見。

キョンという動物をご存じだろうか。僕もよく知らない� �見たことがない。ただ、八丈島を代表する生き物がキョン、となるらしい。もともとは中国や台湾に生息する鹿の一種なのだが、何故か八丈島にも生息している。いや、生息といっても、今ではこの八丈ビジターセンターで飼育されているだけで、野生として存在しているわけではない。


長いスカートを作る方法

この生き物が一躍全国区の知名度を誇るようになったのは、昔流行ったギャグマンガ「ガキデカ」の中で、こまわり君が「八丈島のキョン!」というギャグをやっていたからだという。僕の世代よりも上の方々が読んでいた漫画なので、きっと30年くらい前のギャグなのだろう。しかし一度全国区になってしまえばあとは細く長く「ああ、あのアレね」で通じてしまうのだろう。20年以上前、B&Bという漫才師が「もみじまんじゅう!」と叫ぶギャグがあったが、そのお陰で今やもみじまんじゅうは全国区の銘菓をキープしている。

さてそのキョン案内だが、ご丁寧に園内の地図の一カ所を指し示し、「ここにいるぞ」と紹介している。植物園としてもお薦めコンテン ツということなのだろう。それにしても、「おんなのきょん」「おとこのきょん」というフォントが、何とも脱力系で笑える。


ビジターセンター内を見て回る。

さすがに、例の「西山ナンチャラの碑」などの観光情報は存在せず、ごく普通に八丈島の気候や生き物についての紹介ばっかりだった。うーん、やっぱり普通そうだよな。普通の観光のベクトルってそういう方向だよな。何だったんだ、あの西山ナンチャラは。もう、名前を呼称するのも面倒なので「ナンチャラ」で済ませてしまっているが、それくらいの感動しか僕たちには与えられていない。

ま、それはそれで逆に楽しかったりするのだが。

「うわ、しょうもないもの見せられてるぜ、俺たち!」

という雰囲気満点なのが延々続くのも、それはそ れで楽しかろう。どーせ八丈島で無計画に4泊、という無謀なことをやろうとしているんだ。

とはいっても僕らだって普通の人間だ。何だかわからない石碑や風景を見せられて大満足、というほど悟りは開いていない。ビジターセンターでは毎日バードウォッチングを無料で開催していることが判明したので、早速明日に予約を入れておいた。

「おお、何だか観光っぽいことしてるな。南の島で動物観察」

ちょっと感動する。所詮僕らも普通の観光客。  

ビジターセンターで見つけた、こんな写真。八丈島の台風被害だそうな。

右下の写真は、藍ヶ江港の防波堤。防波堤のコンクリートブロックのデカさも圧巻だが、そのブロックが12mの波で吹っ飛ばされたというのだから呆れる。一体何がどうなればこんなすごい力が働くというのか。

「安普請だからでは?」

と一瞬思ったが、そういう不謹慎なことを考えてはいけない。たとえ安普請だったとしても、超巨大なコンクリートの塊をごろんごろんと転がしてしまったのは事実だ。


八丈富士の航空写真。

噴火口がぽっこりと穴を開けている。二段階で穴が深くなっていて、その奥にまで木々が生えている。「地下森林」と言うらしい。ものすごく神秘的だ。

「これは是非行かないといかんなあ」

ち ょうど観光地図にも八丈富士は記載されていた。天気が良い時を狙って、山頂に登ってお鉢巡りすることにした。


建物内にウミガメ発見。

ホンモノではないが、二人がかりで可愛がってやる(シーンの写真を撮影)。


アワレみ隊第一回目の活動であった神島キャンプで、ウミガメにテントをひっくり返されそうになったという経緯がある。そのときはウミガメをウィスキー瓶でどついて追い返したのだが、あのウミガメは今でも元気だろうか。

どついたことに対するお詫びの心をこの写真で表明したつもりだ。やらせくさいが。


中に入ってカーテンをしめてください、という部屋があったので、指示にしたがう。


お。

夜行のきのこでした。


発光きのこに大興奮しているおかでんの傍らで、投げ輪に熱中するしぶちょお。


何の投げ輪なのかとおもったら、伊豆七島投げ輪だった。

「さすがに青ヶ島は難しいな、遠い」

と言いながら、植物のつるで作った投 げ輪を投げていた。

投げる先は、えーと、あれ?9カ所もあるぞ。

あとで知ったのだが、伊豆七島には、式根島と青ヶ島は入らないそうだ。式根島は、以前は新島とくっついていたという説があることからカウントされず、青ヶ島は八丈島よりもさらに遠く、そのためカウントされなかったというわけだ。


売店に売られていたうみうしクッション。斬新なアイディアだ。

以前高知桂浜の土産物屋で、かつおの抱き枕を発見して激しく欲しくなったことがあるが、これもちょっと欲しくなった。

ただ、八丈島からこのクッションを抱えて帰るのはちょっとイヤなので、この考えは却下。

(つづく)



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